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DCFミニ知識 ◆証券化判断にあたり重要となる指標◆ NPV NPVは純現在価値のことで、ネット・プレゼント・バリューの略です。投資家が不動産に投資しようとする場合の判断指標のひとつで、次の式で求められます。 CF :キャッシュフロー r: 期待利回り CFO: 投資予定金額(初期投資額) つまり、将来の収入額の現在価値の合計から、投資予定額を引いたもので、これがプラスであれば投資は可ということになります。 IRR IRR は、一般的に内部収益率、投資収益率などと呼ばれ、インターナル・レイト・オブ・リターンの略です。 IRRの基本的な考え方は、DCF法で求める公式と同じであり、求める未知数が異なるだけです。IRR を r とした場合に、 となります。 つまり、将来キャッシュフローの現在価値の総合と投下資本が等しくなる率のことです。言い換えれば、投下資本と見合うだけの収益率のことを言います。 これだけならとっつきにくい方、ぴんと来ないもいるかもしれませんが、DCF法による収益価格との関連でさらに簡単に言うと、以下のようになります。 ・与えられたキャッシュフロー、割引率から価格を求める→求められた価格はDCF法による収益価格 ・与えられたキャッシュフロー、価格から割引率を求める →求められた割引率はIRR つまり、DCFによる価格の「裏返し」がIRRになります。 (※理論的には、もし不動産価格の変動がなく将来予測の不確実性も今後変わらないなら、割引率・還元利回り・最終還元利回りは同一になります) LTV LTV(ローン・トゥ・バリュー)とは融資比率のことで、DSCRと並んで、ローンを証券化する際の重要な指標です。対象不動産の価値のうち、借入金が占める割合をいい、デフォルトに陥った際の損失の大きさを示す指標です。 DSCR DSCR(デット・サービス・カバレッジ・レイシオ)は、年間元利返済額に対する年間収益率の割合をいい、次の式で求められます。 よって、DSCRは、大きいほどデフォルトが起きる可能性が低いこととなり、安全性が増します。 LTVもDSCRも、物件の種類や質、競争力、そして証券化の構成内容によって、当然案件ごとにその水準が異なります。 とくにCMBSは個別性が強いため、このLTVやDSCRのレベルは一律に論じることはできませんが、参考のためにスタンダード&プアーズ社が、東京に立地する平均的競争力を有するオフィスビルに適用できる参考例として例示したLTVとDSCRの水準表を掲載します。 (下記表の出典:スタンダード&プアーズストラクチャード・ファイナンス・ジャパン 1999)
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